先日のファースト・ライヴまで、ひたすら練習、練習で夢中で、やっと終了したいま、改めて思うと、自分のヴォーカル歴のなかで、とても大きな意味をもつライヴをさせて頂いたなぁと実感しております。

以前も少しお話致しましたが、Sonic Gold Mine始動より、ヴォーカル的に今までの持ち駒では通用しそうにない、と思って愕然とした時期がありました。前身バンドまでは、私の身上といえば「パワーヴォーカル」。だからこそ評価も頂き、ファンの方も支持してくれていた背景がありました。

初心者のころから、私が目指したのは、まさに「パワーヴォーカル」でした。メンバー募集をし、メンバーが集まり、曲もできた時点で、「ごめん、やっぱり女性ヴォーカルでは弱いから・・・」とクビになってしまい、そのバンドで男性ヴォーカルが慣れ親しんだ曲を歌っているのを観たときのくやしさ。でもパワーで負けているのはまぎれもなく、負けるものか、と思い、お医者さんに大きい声だしたらあかんで、と言われているのにがむしゃらに喉に声帯結節を抱えながら歌い続けたこともありました。

友人にいわせると、ハードロックやヘヴィメタルバンドではよくあることやで、と。ヴォーカリスト探しはバンドでも結構重要だから、それに慎重なコンポーザーは、まずヴォーカル希望者が多い女性ヴォーカルを仮にたて曲作りを進めて、他の男性メンバーともフィーリングが合うこと確認してから、いい男性ヴォーカリスト見つけてきて首すげかえるんやと。・・・そんな経験が何度かあり、自分のスタイルはみるみる「男まさり系」になっていきました。

多分その頃から、ハードロックヴォーカル=格闘技みたいな感覚が身についてしまったんでしょうね。

前身バンドまでは、それが自分の最大の武器と思っていましたし、実際そうだったかもしれませんが、それをとっぱらってしまったとき、自分の歌に残る魅力を育てる努力を、完全に怠ってきた気がします。

Sonic Gold Mineでは、パワーヴォーカルだけでは楽曲の魅力を半分も活かすことはできません。頭ではわかっていても、具体的にどうすれば・・・自分の引き出しの少なさが腹立たしく、焦りだけが募りました。

そんな時、ふと昔すこしかじったことのあるギターを触ってみたくなりました。どうしても納得いくメロディがのせれなかった曲を、簡単なコードをつまびきながら歌ってみました。こんどはストロークを強く弾いて歌ってみました。感じがちがう、こっちのほうがノリがいい、夢中になってしまいました。

それでわかったのですが、Sonic Gold Mineの曲は、ロックなんだ!ということです。

今までの様式美の中で求められていた自分の歌は、歌でありながら「楽器」でもありました。構築された世界の中で、自分の音程やリズムが狂えば他の全ても壊れてしまう。つねにそんな緊張感に支配されていました。

その感覚に、Sonic Gold Mineでも相変わらず縛られていることに気づきました。でも、基本がロックであるなら・・・。

大切になってくるのはビート。そしてノリの心地よさ。メッセージを伝えたいという熱い心。多少パワーや正確さに欠くことがあっても、そっちの方がよっぽど大切なんだとやっと気づくことができました。こんどは、それを、少しずつでもよいから実践してみようと思いました。

そうやって迎えた2月25日のライヴ。やっぱりステージに立つと、パワーヴォーカル全開!になってしまった感がありお恥ずかしいですが、自分のなかではとても大きな変化を感じながら、オーディエンスの方の前にたつことが出来ました。
自分の新しい魅力を引き出してくれた、凄腕かつ繊細な表現力にも富むギタリストであり、素晴らしいコンポーザーでもある仲誠司氏、普段は癒し系なのに(?)ステージでワイルドでグルーヴィーなベースを魅せつけてくれた頼れる兄貴、Ka2ya氏、MOONSTRUCKからの付き合いのすばらしい友人でもあり、Sonic Gold Mineの楽曲でもセンス抜群のドラミングでバンドの屋台骨を支えてくれているKENZO氏には、ほんとうに心から、心から感謝しています!ありがとう!!ってそれがいいたかったんかい!!(爆)

これからSonic Gold Mineがどこへ向かっていくか?正直メンバーでさえ未知な部分もあり、ドキドキわくわくですが、皆さんのハートに響く、熱いロックに裏打ちされたハードロックをお届けできることだけは間違いありません!ぜひぜひ、楽しみに待っていて下さいね!