ミュシャの世界

ミュシャの世界

 

昨日は、出不精で人ごみ嫌いの私にしては珍しく、えいっと午前中梅田にて楽器屋さん周りを少しした後、その足で天保山のサントリーミュージアムで行われているアルフォンス・ミュシャの展覧会に行って参りました。

最終日が今月末ということもあり、予想通りの混雑でしたが、めげずに最前列の牛歩戦術隊に加わり、かぶりつきでじっくり鑑賞致しました。リトグラフでも比較的小さな作品が多く、繊細な表現は息を呑むほどで・・・。印刷でしか見たことのなかった作品郡を実際見ることが出来、本当に感激でした。

でも、アール・ヌーボーの旗手として知られているミュシャの華やかな広告芸術だけでなく、彼の内面を垣間見せてくれるようなメンタルなパステル画や、油彩やテンペラ画に触れられたことが一番の感動でした。

音楽にも共通すると思いますが、パステル画や油彩など、作者の手が直接入った作品をみる(聴く)ことは、その作者と、作品を通じて時代や空間を経てコミュニケーションできることだと思います。それこそが芸術の素晴らしさであり、作り手が表現することに情熱を燃やすことができるのも、後世の人とも魂のふれあいができるという魅力にとりつかれているからではないかとしみじみと・・・。

なんか鯱ばってしまいました(笑)。

あと悲しかったのは、晩年祖国にもどって活動していた彼が、1939年チェコスロバキアに侵攻してきたナチスドイツのゲシュタポに捕らえられ尋問を受け、その心労がたたって肺炎を悪化させ亡くなってしまったという事実です。

偉大な芸術家に一体、何してくれんねん!!(怒)

「スラブ叙事詩」など、祖国に対しての想いを大作として表現するなど晩年社会派として活躍していたことが尋問のきっかけになったのでしょうか。本当に憤りを感じます。

一番素敵と思ったのは、「百合の聖母」というテンペラ画でした。淡いブルーの色調のなかに浮かび上がるような百合の花、おだやかな表情をたたえた聖母と、民族衣装を着た少女がたたずんでいる絵です。しずかな調和を感じさせられ、長く見入ってしまいました。

夕方より、来月出演させて頂く予定のBARND NEWにSTEEL EMBLEMさんの観戦に伺うお約束でしたので、ぎりぎりまで粘ってミュージアムを後にしました。でも天保山(地下鉄中央線大阪港駅)からJR西九条までは、弁天町経由で乗り換えすればほんの数駅であっちゅうまに着けるといまさら発見・・・。(何年大阪人やっとんねん!)

共演のINTENTIONのメンバーさんにもご挨拶させて頂いたり、聴きたいと思ってなかなか手に入れられなかったカルメンマキ&OZの音源について教えて頂いたりと、とても嬉しい一日でした。