先日、母のお伴で京都市美術館に行って参りました。

「ゴッホ展~空白のパリを追う」「リヒテンシュタイン~華麗なる侯爵家の秘宝」が同時開催されておりましたので、幸い両方を観賞することができました。

ゴッホ展では、弟のテオとパリのアパルトマンに同居していた頃の作品も多数展示されていたことが新鮮でした。作風を確立するまでのゴッホの試行錯誤の軌跡を追い、私たちが傑作として知っている「ひまわり」などの力強いタッチが生まれるまでに、彼が実にさまざまな描き方や技法を試していたことが解りました。

ご存じのように、日本の浮世絵に傾倒したゴッホは、彼いわく「日本のように美しい」アルルに画家たちのユートピアを作ることを夢見てパリを去り、ゴーギャンとの共同生活に敗れ、37歳の若さで亡くなってしまいます…今までは、ゴッホに対する印象として、まるで自分の本能の命ずるままに命を削って描いているかのような、あまりにも情熱的で粗野なイメージがありました。しかし実は、絵に対する繊細な取組みをかかさなかった心の細やかな一面をもった人だったのだなぁ…と実感しました。

リヒテンシュタイン展は、まさに豪華絢爛の一言…。

ため息の出るような調度品、タペストリーなども素敵でしたが、巨匠といわれる画家の名画のコレクションも充実していました。特にポスターにも使われているルーベンスの絵画が一番印象的でした。

実は、今まであまりルーベンスの絵が好きではなかったのです。仰々しすぎるというか、絵が大声で「どや!凄いやろ!」って叫び過ぎてるというか…(変な表現ですみません。)

しかしその絵「クララ・セレーナ・ルーベンスの肖像」は、自分の5歳の愛娘を描いたもので、愛くるしい表情がまるで生きているかのようで…ルーベンスの娘への愛情が伝わってくるような、たいへん魅力的な絵画でした。

花冷えのあいにくのお天気でしたが、古都の満開の桜も見ることができ、とっても素敵な一日となりました。