トッツィー [Blu-ray]

トッツィー

なぜか、変身をテーマにした映画に弱いです。

昔一度観たことのある作品が廉価版で大量にDVD化されたこともあり、昨年はなんだかんだとソフトを買い込んでしまいました。一回みたら大体しまいこんでしまうのに・・ああ無駄遣いの代表・・。

しかも、おセンチ(死語?)な恋に恋する頃観ていた様なハリウッド発のミーハーな作品ばかり・・。例を挙げると「スプラッシュ」「ビッグ」「花嫁はエイリアン」「トッツィー」「ワーキングガール」「美女と野獣(ディズニー版)」「潮風のいたずら」などなど。リストアップするだけで赤面してくるのですが・・・。

最近のものだと「恋に落ちたシェイクスピア」でしょうか。昨年末、怪我をして入院してしまった友人にお見舞いがわりに貸してあげたとき、どんな話?ときかれ、とっさに返答に困って「う~ん、シェイクスピアの若い時の話や!」と答えてしまい、アカデミー賞受賞作になんちゅうコメントするねんと自分のボキャブラリーのなさに情けなくなりましたが・・・。

共通しているのは、主人公が本来の生い立ちや身分や立場から変身して運命の人と出会い、とまどいや困難をへてハッピーエンドになるというところでしょうか。悪く言えば現実逃避なところが現代人の夢の部分を満足させてくれるのでしょう。

「トッツィー」は本当に面白くて、ダスティン・ホフマンの名演技には今でも唸らせられます。劇中で女性を演じきるため、大学の研究室で裏声の出し方を研究したり、日本の歌舞伎の女形のしぐさを勉強したというエピソードも残るほど。ジェシカ・ラングも本当にデビューしたてで可憐でかわいらしくて。

印象に残っているのは、彼女に正体がばれてしまい、すっかり怒らせてしまった彼の仲直りのための台詞でした。

「出会ったときは女だったけど、君と出会う前の僕より、女友達として君と付き合ったあとの今の僕の方がいい男だ。また友達からはじめないか。」
なんか謎々みたいですが・・おそらく、異性としての魅力を武器にできない以上、同性として尊敬と信頼、友情を勝ち取るために努力して、よりお互いを理解しえたということではないかと解釈しています。

変身って、ドラマや小説の世界では永遠のテーマですね。でも現実の世界の中でも、思い込んでしまっている自分の殻を破って、小さな変身をしてみるのも、前向きなことではないかと(映画の世界のように劇的にはいきませんが)思う今日この頃でした。