第24作 男はつらいよ 寅次郎春の夢 HDリマスター版 [DVD]

第24作 男はつらいよ 寅次郎春の夢

 

このお正月は、ほんとにTVとかドラマを全くといっていいほど観なかったのですが、いま衛星放送で「男はつらいよ」を全作品放送するというシリーズをやってまして、昔から家の者が大ファンでみていたこともあり、エアチェックしていたものをボーッと観てしまいました。やらなあかんことは沢山あるのですが・・・。(ハードロックバンドのオフィシャル・サイトにリンクするブログで寅さんの話はそぐわないかな?とも思いましたが。)

「寅次郎春の夢」という作品は寅さんシリーズのなかではちょっと異色で、山田洋次監督と、アメリカのレナード・シュレーダーさんという脚本家との共同作業で脚本が製作されており、ハーブ・エデルマンさんというアメリカの名バイ・プレイヤーが出演しています。

この俳優さんが、アメリカで上映された寅さんの映画をみて魅了され、ぜひ出演させてほしいということで撮られた作品ということは記憶にあったのですが、改めて観るととても魅力的な作品でした。当時のインタビューの記憶がおぼろげにあって、たしか、

「こんなにもけんかっぱやくて、いいたいことを言い合い、笑ったり泣いたり、大騒ぎする日常は、こっけいではあるが、愛おしい気がする。アメリカ人の自分にはびっくりさせられるとともに、とても新鮮に映った。」

昭和の下町の風景や、レトロな家電製品や、人々の服装などもああいいなぁと感じるのですが、その他にも、文化の違いによる誤解から生まれる珍騒動を笑いたっぷりに描いていくのはさすが鬼才山田洋次監督です。渥美清さんも、いま大人の視点で見ると、その演技にはやはり卓越したものを感じます。(子供の頃は、寅さんはほんとに寅さんだと思って見てましたので。)

昔の日本では、こうやって親子ゲンカや兄弟ゲンカ、はたまた夫婦ゲンカなど大騒ぎしながら(たまにご近所を巻き込んで?)愛情を育んでいったのではないでしょうか。お互いに傷つけあうことに敏感になるあまり、なにか大きなトラブルにぶつかれば最悪の事態になってしまうことの多い昨今、小さい子や若い人にも、この作品をみてもらいたい気になりました。

そして・・・昔はさくらみたいな女性になるんや!と思っていた自分が、なんだか寅さんに凄く共感していることに、改めて気づいたりもするのでした。これは寅さん化現象(?)でしょうか。やばいです。

でも寅さんは私にとって永遠のヒーローです!