ルネサンスの女たち (新潮文庫)

ルネサンスの女たち (新潮文庫)

最近、「いい人」の定義に悩むことがよくあります。

誰しも、親しい人や、好きな人から、信頼されたいと願って行動する部分は少なからずありますよね。

塩野七生さんの「ルネサンスの女たち」という著書で、ルネサンス時代のイタリアのフェラーラ(フェラーリの産地!)出身で、マントヴァの領主の妻、イザベッラ・デステののこした言葉が引用されていました。

「こうあるべきと思う態度でもって応える」と。

私も元来かなりいいかげんで天然全開の人間なので、自分で相当気をつけないと、他の人に迷惑をかけたり、逆鱗にうっかり触ってしまうことがあるので、ええ言葉やなぁ、とりあえず自分でできる範囲で心がけよう!と思ったことがあります。

ただ、一歩間違うと、「相手の期待通りにふるまういい人」を装う仮面を外せなくなり、「八方美人」に転落してしまう可能性があるなぁとこの年になりやっとつくづく思うのです。「公」の付き合いが「私」に転じたとき、えぇっ全然違うやん、二重人格?って極端な話なってしまったり。結果、「いい人」を期待して親交を求めて来てくれた人を、失望させてしまうこともしばしば・・・。

誰でも、いいところ、わるいところを合わせもっていますよね。そして、できればいいところを見せたいと願いますが、個人的には、その「カッコつけたい願望」が大きすぎるのかなぁと思ったりします。

でも、そのいいところ、わるいところというのも、個人の価値観によるのですね?

長年の友人で、「駆け込み寺」的に非常事態に相談にのってくれる友人がいるのですが、「あんたは体育会系やからなぁ。でも世の中、文化系の人間も多いねんし、いろいろやで。」と。

体育会系には、けじめを重視はIN、文化系には堅苦しくてOUT。文化系には、ファジーでもさりげない心配りの方がIN、体育会系には型通りでもあいさつやお礼、お詫びをきっちりできなければOUT。

それで、自分の価値観を他人に押しつけがちになっている自分に、まだまだ大人じゃないなぁと反省するとともに、私も本音は文化系タイプやのに、体育会系を無理して装っているからしんどかったり中途半端になったり誤解を招くんやなぁと思ったりしました。

でも・・・やっぱり、そんな体育会系ノリ状態の自分に、まぁ悪いとこでもあるけど、いいとこでもあるから、あんたらしいし、とか言ってくれる前述の連れみたいな人がいると、むっちゃ嬉しくなって頑張ってしまうのです・・・。

反省を交えつつ、やっぱりなまはんか体育会系で、ずっといくんだろうなぁ・・・。でも少しずつ、身内だけにでなく、縁あって関わる人、これからもっと親しくさせてもらいたい大好きな人に、自分がわるいところだと決めつけていた部分を小出しに見せていけるようになりました。(受け入れてくれてありがとう!)ちょっと嬉しい進歩です!

共感してくれた人、理解し合える人と、これからも親交を深めていくためにも、自分の正直な気持ちを、ぶつけていける勇気を持ちたいです。

 

 

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