Mechanical Resonance

Mechanical Resonance

TESLAのデビュー・アルバム、「Mechanical Resonance」に収録されていた曲です。MTV化されてオンエアもされていたので、記憶にある方も多いのではと思います。

当時の東西冷戦の緊張感や、テロリズムの愚かしさを、開拓時代の無法地帯の西部の決闘レベルと変わらないじゃないかという「現代のカウボーイ」になぞらえて歌った曲でした。

ベルリンの壁が崩壊し、東西冷戦が終結に向かったとき、とある軍事評論家の方が語っておられたのを思い出しました。

「これからは、資本主義対共産主義という、一触即発の抑止力の誇示という危機感に変わり、西洋的価値観とイスラム的価値観の衝突が大きな火種となるに違いない。その際、東西冷戦の際にノウハウを培った情報戦のプロフェッショナルたちが、あらたな問題の解決に向け大きな役割を果たすことになるでしょう。」

(当時、情報戦に対するイメージは、映画とか漫画に登場するエージェント位の認識しかなかったので、あまりこのコメントの意味が解らなかったのですが・・・。)

物語に対してだけの浅はかなイメージでお恥ずかしいのですが・・暗躍する軍事のプロフェッショナル同士の戦いは、決して大勢の一般市民を無差別に巻き込み、命や平和な日常を奪うものではありませんでした。そういう意味では、この専門家の方は、未来に対してもっと理性的な展望を抱いておられた違いありませんが、現実は全く違う方向に行ってしまっているようです。

いま世界が向かっているのは、人間の理性とは無関係の「無法地帯」「西部劇」の世界ではないでしょうか。邪魔者、ならず者を叩き潰すために、無関係な市民を犠牲にしても構わないという、野蛮な論理。

開拓時代そのままの「現代のカウボーイ(カウボーイの一対一の対決よりむしろ、騎兵隊といった方がふさわしいでしょうか)」に変わり、21世紀の現代の理性にふさわしい決断を、世界に選択して欲しいと願わずにいられません。