ルパン三世 second-TV.BD-(26)(Blu-ray Disc)

ルパン三世 second-TV

先日、衛星放送でルパン3世の特集をやっておりました。

実は、子供の頃ファーストシリーズの大ファンだったのですが、セカンドシリーズはキャラの描写や演出が変わってしまった気がして、ほとんど観ておりませんでした。

あの青いジャケットのルパンはもう見れないのかなぁ‥と寂しく思っていたとき、「カリオストロの城」で再び青ジャケットのルパンに出会い、宮崎駿さんがファーストシリーズの後半の演出を手がけていたこともその時知りました。

特集では、セカンドシリーズの最終話であり、宮崎駿さんが脚本・演出した、「さらば愛しきルパンよ」を放映しました。

実はこの作品は、最終話として準備されたものではなくて他のセカンドシリーズの作品とあまりにも作風が違いすぎるため、放映を保留にしてあった作品で、本来のタイトルも「ドロボウは平和を愛す」だったそうです。

宮崎さんの作品は「未来少年コナン」からのファンで、雨が降ろうが槍が降ろうが、気丈で凛としたヒロインのラナや周りの人々をその驚異的な身体能力とまっすぐな心で守ろうとするコナンって凄い!と子供心に感激していたものです。

「さらば愛しきルパンよ」のルパンに、何だかコナンの姿を重ねてしまったのは自分だけでしょうか。

1980年に作成されたこの作品は、今見返すと若干きな臭すぎて、子供に夢を与えるアニメとしては、テーマが重過ぎてしんどいかもしれません。

でも当時、有事立法の成立の危機や、東西冷戦の影響下にあった日本において、宮崎さんがこの作品にこめたメッセージは切実なものだったと痛感します。

そして現在、オリンピックの祭典に、アスリートたちの尊い汗が流され、感動するその同じ瞬間に、またも武力による抗争が起き、難民の人たちが嘆き苦しんでいる‥

有事であれば、個人の財産も生命も、一瞬にして個人のものでなくなってしまう‥

宮崎さんは、そんな危機感を、20年以上前のこの作品で、警告したかったのではと思いますが、世界は何一つ変わっていない‥

やりきれない思いで胸が一杯です‥