実は、20代の終わりくらいの頃、真剣に色の勉強をして、資格も取得したことがある。商品企画の仕事をする上で役に立ったのはもちろんだが、個人的に深く魅せられたのは色彩心理の世界だった。

その時の感情や気分を色に例えたり、絵にしてみたり…子供の頃から印象に残っている色で作成していくカラーヒストリーなど、様々なワークショップを体験するなかで、思ってもいない自分の一面や本当の気持ちに気付かされたこともある。

日常に忙殺されて、今はすっかり色のそんな魅力について思いをはせることも無くなってしまったなぁ。

☆☆☆☆☆☆☆

単色で美しい色、汚い色というのは存在しないと聞いたことがある。色と色とが組みあわさった時…配色されたとき、どのような色にも、組み合わせ次第で、美しい調和が存在するのだと。

また、文化や習慣が異なれば、同じ色でもまったく違う意味合いを持つことも知った。同じ国で育った人同士でさえも、経験や性格によって色に対するイメージが違ってくるのだ。だから、「青は寂しい色」「オレンジは快活な色」と一概に決め付けてはいけない…と。極端な例では、同じ「赤」でも、美しい夕日を思い出す人もいれば、緊急車両の赤色灯を思い出す人もいる。そのぐらい、色彩心理として扱う色はデリケートで、あくまでもケース・バイ・ケースなのだ。

☆☆☆☆☆☆☆

それを肝に命じた上で、色彩心理の世界に足を踏み入れてみると、とても興味深い。例えば、一枚の絵の前に立ったとき、その作者の人はどんな気持ちだったのだろう、この色使いでどんなことを表現したかったんだろう、とイメージを膨らませることができる。自分と作者との共感の可能性を見出せた時、しみじみと感動してしまう。

災害や戦争で被災した子供たちや、病気に苦しんでいる人たちに自由に絵を描いてもらい、その心を理解し寄り添うことでケアするワークショップも浸透してきている。重いかせがはめられたように言葉に表せなかった気持ちが色になり、線になりほとばしる。表現することで心を軽くし、癒すことができるとは、なんと素晴らしいことだろう。

☆☆☆☆☆☆☆

パソコンの描画ソフトを使用するようになってから、筆やペン、水彩絵の具やカラーインクなどを用いて手書きで最後まで絵を描くことも最近すっかりなくなってしまった…。パステルの多色セットなども、いつか使おう!と思って大事にしまったままだ。

せめて、色に対しての感性を呼び覚ますために、時には手描きで自由に絵を描きたいのだが…。さぁ描くぞ!と意気込むと、かえって何を描くか考え込んでしまうなど、敷居が高くなってしまう…。

そこで、あまり難しく考えなくてもできるよう、カラーダイアリーを始めてみることにした。人によって色々なやり方があり、絶対にこれ!という方法はないのだが…自分はその日の気持ちを直感的にイメージした5色で表してみることにした。

毎日は出来ないと思うが、おりに触れ、色で気持ちを綴っていくことを続けていけたらいいなと思う。

☆☆☆☆☆☆☆

Color Diary 1-May,2016

color_diary_160420